ロバート「まぁいいや。返せ。
その鞄はあいつの大事な鞄
やから返してもらうからな。
じゃあ頑張って生きてくれ~」
そういって帰っていきました。
ボス「・・・ちっ。なんやあいつ。
あーくそっ。失敗したぁ」
ひったくりに失敗して警察に
狙われるだけのミスをした。
あいつが通報して終わりに
なると思って諦めていた。
その間はいきっている不良達に
喧嘩を売って勝っては財布から
金をくすねる生活をしていた。
しかし数日経っても動きはない。
警察はなかなかやって来なかった。
そんなある日・・・
?「おい。お前止まれ」
ボス「・・・あ?」
10人に囲まれていた。
?「こいつで間違いない。こいつが
いきなり襲ってきて金盗んだ奴や」
ボス「覚えてないわ・・・でも・・・
やるんやったらやったるぞコラア」
10人相手に喧嘩をしていた。
あの頃はずっといらついていて体の
内側から憎悪を吐き出していました。
さすがに10人には勝てずに・・・
私はボロボロで倒れていました。
?「・・・くそがっ。これにこりたら
調子乗んなよ。なんやこいつ。
2000円しか持ってないやんけ」
やられた私は財布をとられてしまいました。
それは私の全財産でした。
ボス「待て・・・や」
かすれた声しかでませんでした。
その場から動けない私に女性が
通りかかり声をかけてくれました。
?「大丈夫ですか?どうみても
大丈夫じゃなさそうですけど」
ボス「近・・・寄るな。離れとけ」
心配されるのが嫌でその場から
動こうとしましたが動けませんでした。
?「おーい。京子ぉ。行くぞぉ。
死にかけに声かけるくせやめろよー」
京子「待ってよ。死にかけとか言うな
さすがにほっとかれへんやろ」
ボス「あの声は・・・あの時のあいつ」
私がその声に反応し見たらロバートさん
でした。ロバートさんも私に気づきました
ロバート「・・・あれ?あんたあの時の?」
京子「なに?和也の知り合いなん?」
ロバート「由紀の鞄盗もうとした奴。
知り合いではない」
京子「えっ?マジで?」
ロバート「・・・しょうがないな。ちょっと
あっちまで移動手伝ってやるわ」
ロバートさんに肩を貸してもらい
道のはじっこへ移動して座った。
ロバート「京子。悪いけどちょっと
水買ってきて。お金渡すから」
京子「はーい。3人分ね」
水を買いに行ってもらっている間に
その場で座って話をする。
ロバート「けっこうやられてるね~。
どうせ喧嘩売りまくってたんでしょ」
ボス「・・・うるせぇ。関係ないやろ」
ロバート「うん。関係ない。関係ない
から無視したいとこなんやけどね~。
あいつが無視しなかったから」
ボス「あ?・・・あの女か?」
ロバート「そう。死にかけを見捨てられ
ないとこあって危なっかしいねん」
ボス「彼女か?あの子」
ロバート「違う。仲がいいだけぇ。
羨ましい?もしかして」
ボス「羨ましくはない。まだガキやろ」
ロバート「羨ましいくせに。つっぱって
いてもモテないよ~?」
ロバートさんとは・・・なぜか普通に話せた。
俺にびびることなくバカにしてきていたのに。
普通に話せたことが楽しかったんです。
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