g-88話　迷惑

??「あかん。電話の電池
切れてるみたいや・・」

??「なんやねんや・・・
他にも仲間呼んでるぞ。
先みんなに連絡しろや」

??「あぁ。わかった」

暴走族が仲間を呼ぶ場合
連鎖的に連絡が入る。

最初に電話で仲間を呼ぶ
電話を受けた仲間が次に
他の仲間に連絡していく

つまり又聞きの状態で
よくわからないまま動く

こういう繋がりは強い。
不良特有の繋がり方だ。

だが・・・

現場に来て何もない場合
これは大きい問題になる

昔で言えばヤキが入る。

仲間を騙した扱いになり
責任を取らされてしまう

最初に電話をした本人は
もちろんそこから連鎖的
になっていった者達の
ほとんどがシバかれる。

仲間に不信感を与えるし
信用されなくなってくる

そうなるとチーム内での
信用は一気になくなる。

なので・・・現場を見て
なにもなかった場合は
すぐに連絡をしないと
いけない・・・

??「はい。すんません。
動いてもらってたのに
本当にすんませんした」

??「すんませんでした」

連絡を入れた先輩や仲間
に一本一本連絡をした。

今度はその先輩や仲間が
他の仲間に連絡を入れて
謝らないといけないので
そういう迷惑もかかる。

そして・・・

死神「探さへんねんなぁ
もっとよく探さないと」

??「誰やっ。どこや？」

死神「こーこっ」

隠れていた死神が出た。
塀の上に登ってきてた。

死神は隣のアパートの
ブロック塀をはさんで
静かに隠れて聞いていた

仲間や先輩に何も無い
という連絡を入れたの
を確認して出てきた。

??「お前・・仲間はぁ
どこにやったんやぁ」

死神「言う訳ないやろ。
と・・・言いたいけど。

遊びやから教えてやる。
この塀の下におるぞ」

??「そっち側か・・・
くそっ・・・やられた」

??「もっかいすぐに
先輩ら呼ぶわ」

??「あかん。やめろ。
今断ったばっかやぞ」

そう。簡単には呼べない
一度違うと言ったから。

ここで呼んでしまって
来てもらえたとしても
恥をかかせてしまう。

それに・・・

??「相手は１人や。
呼ぶまでもないやろ」

相手はたった１人だ。
こっちは１０人もいる

負ける事はまずない。