その日の夜はご飯をよばれ
この4年間の大学生活を
振り返りながら話してた。
父「ただいまぁ~」
真帆「パパ。お帰り~」
蓮「・・・ども」
母「先に着替えてきたら?
それからご飯食べにきて」
父「・・・わかった」
真帆の父は前みたいに俺に
色々言ってこなかった。
真帆の父も着替えてきて
一緒に食事を食べ出した。
父「野田君・・・だったか
大学生活はどうだった?」
蓮「あっというまでしたね
勉強できてよかったです」
父「・・そうか。この前は
・・・すまなかった」
蓮「気にしてない・・・と
言えば嘘になりますけどね
別にもういいですよ」
父「真帆にも怒られてね。
あれからずっと考えていて
礼儀をしっかりとしていた
野田君を侮辱してしまって
ずっと後悔をしてたんだ」
蓮「あ~。そうですか」
父「ひとつ聞きたいんだ。
なんで野田君はそんなに
礼儀を知っているんだ?
真帆に聞いたら野田君は
元ヤンと聞いたんだが?」
蓮「・・・そうですけど。
なんで礼儀ができるかって
言われたら高校の時ずっと
できてる先輩がいたから
それを真似ただけですよ」
父「先輩も元ヤンか?」
蓮「ヤンキーじゃなかった
でもヤンキーより怖かった
その人の周りには強くて
頭も良い人達が集まってて
一緒に柔道と野球をやって
色々見せてもらったから」
父「元ヤンじゃないのか?
その人は今何してる?」
蓮「・・・もういません。
病気で亡くなりました」
父「えっ?死んだのか?」
蓮「白血病っていう病気で
卒業式の途中で突然倒れて
そのまま・・・」
父「白血病・・・か・・」
蓮「最後まで立派でした。
病人としてではなくて・・
人間として生きてました」
父「そうか・・・真帆が
前に言ってたんだが野田君
は昔入院していた先輩に
差し入れができなかった事
があって悔やんでるって
言ってたんだがそれが?」
蓮「その人です」
父「なるほど・・そうか」
蓮「俺は・・・最後まで
その人の前で恥をかいてて
結局いい所なんてひとつも
見せれませんでしたから。
俺がどれだけ成長しても
褒められる事はないんです
だから・・・悔やみますよ
過去が取り戻せないから」
相手が生きているのなら
過去のミスは取り戻せるが
相手がもういなかったら
その過去は取り戻せない。
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