g-56話 再来年

2022年9月19日月曜日

③-大学卒業-

t f B! P L
宮根「あん・・・?」

女「どうしましたか?
返送しときましょうか?」

宮根「いや・・待ってくれ
これ・・・来年やないわ。
再来年卒業の分や・・・」

女「再来年ですか?うちは
企業説明会ないですよね」

宮根「あぁ・・・してへん
エントリーシートもない」

女「どうしましょうか?」

宮根「ちょっと預かるわ。
返送ちょっと待ってくれ」

女「わかりましたぁ~」

宮根「野田か・・・あいつ
なんで履歴書持ってきた?
どういう気なんや?」

切手を貼ってない封筒から
郵送ではなく持参してきた
のを宮根さんは見逃さない

龍太が昨日持っていけと
言ったのはこのためだった

宮根「俺1人だけでは・・
判断ができへんなぁ・・」

宮根さんは電話をかけた。

宮根「もしもし。峰か?」

峰「あん?なんやねんや。
今会議中やねんけどやぁ」

宮根「そうか。悪い悪い。
でもちょっとだけゴメン。
あんなぁ野田がな・・・」

峰「野田?ファビオか?」

宮根「違う。弟のほうや」

峰「あぁ。あいつか。
それがどうしたんや?」

宮根「それがなぁ・・・」

宮根さんは説明をした。

峰「それはわからんなぁ。
ちょっと昼からそっち行く
からその時聞かせてくれ」

宮根「あぁ。頼むわ」

宮根さんは電話を切った。

その頃・・・俺は・・・

蓮「これが震災後か・・・
去年は大変やったんやな」

震災後に飾られた碑石を
見てちょっと複雑だった。

実は・・・俺は阪神淡路
大震災を経験していない。

大学で福井県に来ていて
神戸にはいなかったから。

だからテレビで知った時は
普通に驚いてしまっていた

蓮「これも経験やもんなぁ
俺は地震の恐怖知らへんし
自然災害の怖さ知ってたら
また違ってくるんやろな」

こんな経験をしてきている
神戸の人間は強いはずだ。

そう・・・強く願っていた

そして南京町をまわったり
ハーバーランドの海を見て
色々1人で浸っていた。

蓮「やっぱ綺麗やなぁ~」

神戸でこうやって気を抜き
いれるのが信じれなかった

高校の頃なんてゆっくりと
景色を見る事もできなくて
余裕も何も無かったから。

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