第1246話 引き渡し

2016年4月21日木曜日

第46部-願い-

t f B! P L
泣き崩れている由紀さん達
が心配だったが・・・

俺は瀬戸を追いかけた。
ずっと1mぐらい離れた
後ろを歩いてついていった

一言も話す事はなかった。

最後に一緒にロバートと
散歩をしていたから・・・

黙って歩くことだけが俺と
瀬戸に出来ることだった。

1時間ほど歩いて・・・
病院につき担当医を呼んで
ロバートを引き渡した・・

医師に色々聞かれた時・・
瀬戸は一言だけこう言った

「最後まで人間として生き
一生に終止符をうてました
ありがとうございました」

瀬戸はロバートの代わりに
担当医師に代弁をしていた

しっかり頭を下げて去った

俺は外で待っていた。

蓮「ちゃんと言えたん?」

瀬戸「あぁ・・・言えた」

蓮「学校に戻ろうや・・・
みんなには黙っておこう」

病院前のタクシーに乗って
学校まで戻っていった。

学校へ着いて先生や生徒会
の人達に会ったけど大丈夫
という事だけを伝えた。

卒業式の後片付けをした。
全員黙って片付けておいた

片付けが終わると・・・
打ち上げの話になった・・

羽田「明君。この後のさぁ
打ち上げってどうする?」

瀬戸「勝手にやってくれや
俺は帰ってゆっくりする」

羽田「えー。つまらんわぁ
じゃあ野田君はぁ?」

蓮「俺も・・・やめとく。
そんな気分やないから」

羽田「えー。なんでなん」

蓮「ごめん・・・」

羽田「ちょっとぉ~」

俺と瀬戸は帰っていった。
お互い黙ったまま別れた。

蓮「なんか・・・なぁ」

まだ実感が沸かなかった。
単車に乗って家に帰った。

家に帰って自分の部屋で
ずっと考え込んでいた。

蓮「みんなは何も知らずに
今頃遊んでるんかなぁ」

卒業式の後は騒ぐ・・・
夜にはみんなで集まって
飲みに行く者も多い・・・

みんなのことだ・・・
バカみたいに騒ぐだろう。

そう思うと・・・なんだか
遊んでいる者が嫌になる。

でも卒業した後にそんな
不幸を伝えてみんなが騒ぐ
ことができなくなるなら
それはそれで嫌だった・・

蓮「あー。くそっ・・・」

苛立ちが止まらなくなる。
バイクで走りたくなった。

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