荒木が振りかぶって投げる
カーブを投げてきていた。
キイン・・・
蓮「ちっ。ファールか」
俺は初球から振っていた。
荒木「センスがええな・・
こいつは打てる打者やな」
荒木が振りかぶって投げる
内角高めにストレートだ。
腕を小さく折りたたみ振る
がこれもファールになった
蓮「球の方が速いか・・・
少し振り遅れてるんかな」
ほんの0.1秒ほど遅れる。
タイミングが合ってない。
荒木「今のも打つんかいや
だったらスライダーやな」
荒木が振りかぶって投げる
低めにスライダーを投げた
カッキイイン・・・
バットを伸ばして振った。
手首を返して打ち込んだ。
思いっきり引っ張った。
レフトの頭上を越えた。
観客席が盛り上がった。
龍太「また打ちやがった。
母さん。蓮がすごいって」
母「蓮がまた打ったの？」
一塁を廻って２塁へ。
普通なら３塁までいけるが
レフトが強肩だったために
２塁で止まっていた。
荒木「さっきと一緒やな。
次をどうするかやなぁ」
瀬戸「あー。しんどいな。
ちょっと休みたいけどね」
次の打者は瀬戸だった。
ここはしっかり敬遠した。
続く打者はロバートだ。
ロバートも敬遠された。
ワンアウトで満塁に。
俺の２塁打は結局敬遠で
あまり意味がなかった。
森野「今度は満塁・・・
なんでこんな場面で・・」
次の打者は５番の森野だ。
またチャンスで廻ってきた
応援団からはエールと野次
両方が飛んでいた。
応援団も必死になってた。
一生懸命応援していた。
荒木「こいつは安パイやな
ゲッツーで打ち取るか」
森野「うわぁ・・どうしよ
今度こそ打たないとなぁ」
森野はまた緊張していた。
蓮「ヒットでええねんぞ」
瀬戸「ここで点がほしい」
橋本「ワンアウト満塁で
この場面でほしいのは？
それがわかればわかるわ」
森野「この場面では・・・
ダブルプレー狙い？じゃあ
投げる球は・・わかった」
三振じゃなくて打たせて
アウトにする球を投げる。
そう考えると出てくる。
一つの答えが導き出される
森野は球種を絞った。
力強くバットを構えた。
