投球練習はしなかった。
打ち気のある打者に対して
ロバートは嬉しそうだった
ロバートが振りかぶって
全力で投げ込んだ。
パアァアン・・・
その豪速球に周りは驚く。
球速は158kmも出ていた。
蓮「んっ?あれ?」
松田「なんか違う・・・」
瀬戸「あれは・・違うな」
いつもと少し投げ方が違う
振りかぶってから右足の踵
を少し上げていた。そして
踵を一気に踏みつけてから
脱力をして体重を増やす。
右足に力をたくわえてから
左足を前に出して一気に体
を捻りこみ肘を前に出して
投げ込んだ。
球速に差は無かった。
球に大きな違いは無い。
が早川だけは気づいていた
早川「いってぇ・・・
なんやねんや。この球は」
ロバートは投げ続けて
3番を三振にとった。
そして・・・後1人だ。
後1人で試合が終わる。
初球で豪速球を投げる。
4番打者は驚いていた。
4番「こんなん無理やろ
打てるわけないやんけ」
続く2球目もストレート
しかし120kmだった。
4番「120km・・・?
どういうことや?」
そして最後の一球になる
4番の選択肢は2つだ。
4番「最後は決め球や。
150kmの方が来るやろ」
ロバートが振りかぶる。
そして・・・投げた。
その球に陵広は驚いた。
投げた球は・・・決め球
チェンジアップだった。
80kmの遅い球だった。
しかもフォームは同じ。
4番「こんな場面で・・
チェンジアップやと?」
4番は完全に空ぶった。
そして試合が終わった。
審判「ゲームセットォ」
橋本「あー。疲れたぁ」
審判がコールをした。
その瞬間うちの応援団は
全員盛り上がっていた。
感動して泣く者もいた。
瀬戸「さて。整列やな」
整列をして挨拶をする。
陵広の選手は泣いていた
色々な感情があるだろう
もし・・最初からなめて
かかっていなければ・・
もし・・3回の時に瀬戸
を敬遠しなければ・・・
もし・・・という感情。
悔いが残ってしまう感情
俺達が練習試合でずっと
味わってきた感情だった
彼らは初めてだろう。
全力を出させてくれずに
悔いが残ったってのは。