蓮「どういう事です?」
橋本「明が塁に出ると
松田が打ったとしても
走らなあかんやろ?
つまり体力が減らされる
明を潰せば俺達は終わり
って思ってるんやろな。
まぁ正解やねんけどな」
蓮「確かにそうですね」
瀬戸を潰せば終わり。
確かにそれは正解だ。
だけど俺達は余裕がある
うちは2枚看板だから。
橋本「こうなったらなぁ
明をホームに帰してやれ
敬遠させた事で点を失う
そうすれば流れが掴める
送りバントでもなんでも
いい。明を進塁させろ」
送りバントを否定してた
ロバートが意思を曲げる
そして初めて動いた。
いつもはベンチでずっと
黙ってやっていたのに。
浅井「ちょっと待ってや
瀬戸の事を考えると早め
にアウトにならせた方が
よくないんかな?」
蓮「それもそうですね」
試合はまだ3回だ。
先のことを考えると確か
にアウトになったほうが
体力が残るとも思った。
橋本「バーカ。勝負所は
今のこの3回やろうが。
早川と結城と菅原が相手
ピッチャーに投げさせて
て明を敬遠してるねんや
敬遠なんてしてもな。
明みたいに抑えるだけの
切り札なんて持ってない
陵広はギャンブルで来た
ギャンブルってのはな。
成功すると調子に乗れる
成功しないと後悔する。
成功させたらあかんねん
明を敬遠させた事をな。
せやからここで叩くねん
ここで一気に叩くねん」
瀬戸を敬遠して点が入る
と敬遠した事を後悔する
点が入らなければ向こう
は一気に調子に乗れる。
そのポイントが重要だ。
ロバートだから気づけた
百戦錬磨の経験が教える
勝ちに拘った場面だった
瀬戸が一塁から松田に
サインを出した。
松田「マジッスか?」
松田はサインに驚いた。
その雰囲気を陵広が読む
「何か仕掛けてくる」
そういう雰囲気だった。
松田の雰囲気が伝えてた
ピッチャーが振りかぶる
と同時に瀬戸が走った。
松田はバントの構えだ。
投手「送りバントか」
内野の反応が早い。
サードもファーストも
ピッチャーも詰める。
バントが読まれていた。