蓮「自己満足ってなんだ?
野球って自己満足なん?」
松田「全然違いますよ。
人によって野球の取り組み
って全然違いますからね。
野球ってどう上手くなるか
を考えてやってきてます。
上手くなりたいから練習し
強くなりたいから練習する
それが普通なんですよね」
蓮「それが違ったのか?」
松田「それ以下でしたよ。
目標も考えもなくただ普通
に野球をしていただけです
こんなところで野球なんて
したくないしそれだったら
さっさと辞めて帰宅部で
遊びたいと思ってました」
蓮「そういうことかぁ」
松田「でも今は違います。
今やってる野球ってのが
今までで一番楽しいです」
蓮「どこが楽しいの?」
松田「瀬戸さんと橋本さん
が提唱してる勝つ為の野球
っていうのが楽しいんです
ほら。なんか勝つ為だけに
この3ヶ月やってきて効率
よく練習してきましたしね
野田さんも勝ちに拘るから
3人はすごいんですよね」
蓮「俺は都合よく使われて
いるだけやねんけどなぁ」
松田「最初の頃だけですよ
今は立派なサードですよ」
蓮「実力は無いけどな」
松田「実力はありますよ。
3ヶ月でたたき上げられて
よくここまでって感じで」
蓮「練習試合で失敗ばかり
して覚えるとそうなるよ」
松田「はは。そこですよね
そこが普通と違いますよね
普通は練習でできないと
本番でもできないって
言われるんですけどねー。
練習試合やからよかったな
そのミスは二度とすんな。
って言われてましたよね」
蓮「あー。言われてたなぁ
練習試合で覚えていったわ
草野球でもバカにされて
小学生にもバカにされた。
かなり恥ずかしかったわ。
そのおかげでおっさんと
子供から教えられたわ」
松田「相手がリトルリーグ
ですから小学生でもよく
野球を知ってるんですよ」
その後も色々と談話した。
俺達は明日が試合だ。
相手は強豪川滝第二高校。
初戦敗退を予想される相手
俺と松田は学校に戻って
少し練習することにした。
学校に戻ってグラウンドの
方にいくと人が見えた。
瀬戸とロバートがマウンド
からボールを投げていた。
少し不思議な光景だった。
ロバートが瀬戸に投げ方を
教えているように見えた。
俺達は近づいていった。