橋本「この振り方は深いな
弓の使い方ができてるわ」
瀬戸「弓ですか?そんなの
考えてなかったですけど」
橋本「振るときやけどな。
弓のしなりを引いたような
勢いがついてるからなぁ。
さすが明。これは深いな」
瀬戸「発展して下さいね。
完成じゃないんですから」
橋本「あれ?そうなる?」
すごい世界になっていた。
ロバートと瀬戸が振った
バットの音がすごかった。
野球に武術を足した打法。
恐ろしい・・・技術だった
各自打ち方を教えてもらい
ちゃんとバンテージ巻いて
家に帰り外でバットを振る
バットを1人で振ってると
龍太が外に出てきた。
龍太「結構大変そうやな」
蓮「あぁ。龍太か。なんや
邪魔しにきたんかいや」
龍太「邪魔なら戻るけど。
応援しに来たんやけどな」
蓮「笑いに来たんやろ?
龍太やったらわかるやろ?
素人が3ヶ月で甲子園を
目指すってのが無謀って」
龍太「まぁ・・・無理やな
誰もがバカにするやろな」
蓮「そんな無謀なことに
本気でやろうとしてるのを
見てバカにしてるやろ?」
龍太「バカにしてないわ。
俺はお前が羨ましくてな」
蓮「俺が羨ましいやと?
なんでやねんな。龍太は
頭がええやないか」
龍太「その分運動あかん。
俺には運動神経がないから
いっつも外野で応援や」
俺は素振りを一度止めた。
龍太は普段弱音を吐かない
龍太の本音の気がしたから
蓮「龍太?どうした?」
龍太「ロバートは運動が
苦手でもええやんけ。
その分学力では負けるな
って言ってくれてるけど
やっぱり一緒に運動や
格闘技とかしたいなって
思ったりするもんやねん。
無茶なことも一緒にしたい
勝負にもっと固執したい。
蓮と俺が逆だったらって
何回思ったことやろうか」
蓮「・・・龍太」
龍太「バカになんかしない
まぁ邪魔して悪かったな」
龍太は戻っていった。
俺は龍太が羨ましかった。
頭も良くて彼女もいて仲間
も多くて慕われている。
それに比べて俺は何もない
もがき暴れてるだけだった
そんな俺を龍太が羨ましい
その言葉が意外だった。
龍太には龍太の悩みがある
表には出してなかっただけ
初めて俺に見せてくれた。
俺は少し反省していた。
その悩みを否定したから