観客も全員帰っていった。
そして下の世代の連中も
黒いコートの存在を知った
四神は有也を解放していた
俺はそこに近寄って行った
蓮「よぉ。有也・・・」
幹部「野田か。今はあかん
また後日にしてくれや」
有也「いや・・今でいいわ
最近羅針で蓮を見んしな」
有也が変な事を言う・・・
俺は引退しているのに・・
蓮「やっぱり強かったか?
有也でも無理やったか?」
有也「あれは・・無理やわ
強いってレベルやないしな
手加減されてたしな・・」
蓮「心折られたか・・?」
有也「あぁ。折られたわ。
もうあんなんやりたくない
本気で死ぬかと思ったわ」
蓮「有也がそう思うとはな
折られたんはどの時点?」
有也「めっちゃ近い距離の
時受けたよくわからん一撃
で心折れたな・・・」
蓮「あれか・・・寸勁」
有也「気を抜いてたら死ぬ
かもしれんかったからな。
そう思ったら心折れたわ。
そんでその後の同じような
横からのあれはやばかった
体の中に針を刺された感じ
で2回目は威力が広がった
体の機能が止まった感じ」
蓮「信じられんけど・・・
そんなやばかったんやな」
有也「あれが・・頂点か。
最強も憧れる神なる王か」
有也は何か考え込んでいた
ショックだったのだろうか
幹部「野田。悪いな・・・
これ以上はちょっとな」
蓮「あぁ・・・わかった」
有也が完膚無きまでに
やられたのが幹部達も
ショックだったんだろう。
有也の心がここになかった
かなり重症だったんだろう
蓮「有也・・・負けるなよ
敗北に負けてしまうなよ」
自分は強いと思っていて
周りからも自分の強さを
認められていた時・・・
自分が絶対と思ってしまう
そしてそんな自分よりも
圧倒的に強い存在に出会い
どうやっても勝てない程の
力の差に気付いた場合に
のみある感覚に陥る。
それは絶望感という感覚。
自分がどれだけやっても
あの領域には踏み込めない
努力をしようとする前に
絶望感がおとずれできない
有也は負けの経験が少ない
心のダメージが大きすぎた
立ち直れるかが心配だった
敗北に負けてほしくない。