瀬戸「わかるように言うわ
基本と基礎を固めていると
基本と基礎で応用に使える
姿勢や歩法が違うだけや。
そんなんすぐ修正できる」
蓮「でもなんかなぁー・・
そんなんって空手をやって
ないのにただわかった気に
なってるだけやないか?」
瀬戸「型でわかるねんや。
逆に言えば型ができてない
空手なんて空手やないわ」
蓮「そこがわからんねん。
型ができたらなんやねんな
できたら強いんかいや?」
瀬戸「あぁ。強いな。
型をしっかり使えばな」
瀬戸は少し怒っていた。
何か怒りが俺に向いていた
でも何か納得がいかない。
型ができたら強いなんて。
蓮「なんでそこまで言う?
そこまで型にこだわる?」
瀬戸「合わせられるからや
それに発展させれるねん」
蓮「意味がわからんねん」
瀬戸「型っていうのは他の
武術の型と合わせられる。
それはつまり武の発展や」
蓮「はぁ?どういう事?」
瀬戸「まず空手を真似る。
型は初心者もできるように
構成されて作られてるねん
そのまま型を覚えていって
理にまず当てはめていく。
そしてシャドーを行う。
この時おかしい点に気づく
理に合わない動作だったり
力学的に否定している動作
ここで一度考えて話し合う
なぜそんな動作になる?と
連撃のための一撃なのか?
一撃で倒す為の一撃なのか
そこで考えて出た答えを
当てはめて動いていく。
そして足りない動作を足す
太極拳の基本動作だったり
発勁の技術だったりな」
蓮「それって・・・つまり
型を重視するって事か?」
瀬戸「そう言ってるやんけ
型が全てで型を盗むって」
蓮「あっ・・・そうか」
瀬戸「型は設計図やねん。
実践は現場工事やと思え」
蓮「あー。今ならわかる」
型はその空手の根本だ。
技の組み合わせで成り立つ
その型がしっかりできて
実践で使えれば強いって事
しかし型ができただけでは
実践で使えたりはしない。
実践で使えるほど型を固め
型の意図に気づかないと
なかなか使いきれないから
瀬戸はそういう事を言った
俺は型ができれば強いって
言っていると思っていた。
だから納得ができなかった
そしてさらにその奥を知る
実践で使うには型の秘密に
気づかなければ使えない。
そこに気づく人は少ない。
それは現役の空手家でも
気づかない部分でもある。