村田「ほら。やってみろ」
蓮「あぁ。わかった」
俺も真似してやってみる。
村田「おい。全然違うわ。
長拳の動きを思い出せ」
蓮「長拳。って事は・・」
ザッ・・・ビュッ・・・
村田「そう。それでいい。
長拳が全ての武の基礎って
言ったやろ。忘れるな」
蓮「そうか。そういう事か
全ての武の基礎って事は」
体を使って力を伝える動作
その動きを応用しただけ。
それだけで形になっていた
本来正拳突きは何万回も
打って覚えるものだ。
一長一短ではできない。
正拳突きができると素人が
言っても必ず不動作が出る
しかし長拳の動きを入れて
打つと不動作が解消される
そのことに驚いてしまった
そして恐ろしくなった。
村田「形を覚えれたらな。
後は前後の動きをつけて
動作の一部として正拳が
打てるようにシャドーしろ
ちなみにその正拳突きはな
まだ完成形やないからな」
蓮「完成形やないんか?
完成形ってどんなんや?」
村田「それはまだ早いな。
お前はまだ力の伝え方しか
のせられへんねんからな」
また謎の発言が出てきた。
空手で言えば完成している
基本に忠実な正拳突き。
その完成形を否定する事を
受け入れる事ができない。
しかし嘘とは思えなかった
こいつらは非常識だから。
常識外の強さだったから。
体重55kgぐらいの2人が
バカみたいに強かったから
そういう理由から見ても
間違っている気がするけど
間違っていなかったりする
ずっとそう体験してきた。
村田「最後に崩拳やな。
これは中国武術の基本や。
空手で言う正拳突きやな」
村田が手本を見せてくれた
軽く腰を落として足を前に
出して後ろ足を前に送ると
同時に拳を突き出す。
前に送り出した足は逆足の
横あたりに持ってくること
村田「さぁ。やってみろ」
蓮「おう。簡単そうやな」
真似をしてやってみる。
しかし少し違和感を感じる
村田「逆の肩を引くねん。
肩を引いて前に押し出す力
をさらに強めるねんや」
言われた通りにやってみる
この崩拳の体制は独特で
逆の肩を捻ると上体全てが
捻ることになり威力が増す
蓮「おおっなんかすげえ」
これで基本は全て終了。
この基本も繰り返し覚える