蓮「長拳ってなんなん?」
大事な疑問を聞いてみた。
村田「中国武術の総称や。
長拳は武術の全ての基本で
「査拳」「花拳」「紅拳」
をまとめてる武術やねん。
動作の大きい素早い動きで
飛んだり跳ねたりってな」
蓮「めっちゃ強そうやな。
その長拳っていうのは」
村田「実践的ではないかな
どっちかっていうとな」
蓮「あれ?そうなんか?
めっちゃ強そうやのにな」
村田「長拳は基礎なだけや
動作の動きとスピードと力
の関係とリズムが明確や」
蓮「だから基礎なんか?」
村田「そうや。他の全ての
打撃技術を高める為にもな
この長拳が必要になるな」
蓮「ふーん。そうなんか」
村田「長拳でこれを学べ。
全ての拳路は動と静を兼ね
動はスピードを生みだして
静は安定する事を求める」
蓮「静と動って?」
村田「やりながら理解しろ
手型と歩型と脚型の3つが
あるんやけど手型からや」
蓮「あぁ。わかったよ」
基本手型を教えてくれた。
衝拳(チョンチェン)
腰から拳を前に送り出し、
拳を内旋させ強く打ち出す
肩はやや前方に出る。
劈拳(ピーチェン)
腕を体の前で交差させ、
頭上から横に振りおろす。
推掌(トイジャン)
腰から掌を前に送り出し、
掌を内旋させ強く打ち出す
挑掌(ティャオジャン)
掌を下方より弧を描き
振り起こす。掌を立てる。
亮掌(リャンジャン)
掌を側面から上方に
弧を描いて亮掌を作る。
これが基本の手型だった。
村田と一緒に動いて打つ。
これがなかなか難しい。
村田「正しい動きを覚えろ
長拳の動作は攻撃の威力を
しっかり伝える動作や」
蓮「んな事言われてもや」
やり始めたばかりは辛い。
脚の使い方や腰の使い方で
力が伝わっていないことで
何回も何回も怒られた。
村田「ヒントをやるわ。
最速最短でしっかりと
身につく練習法を今から
見せてやる」
蓮「最初からそうしてや」
村田は静かに動いていた。
ゆっくりとした動作だった
蓮「それって太極拳か?」
村田「よう気づいたな。
太極拳の動作を使うねん」
正しい形を覚える為には
何回も何万回も打つ事で
体に覚えさせるってのが
格闘技の考え方だった。
しかし村田の考えは違った
太極拳の動き方を取り入れ
ゆっくり動作することで
体に覚えさせるという事だ