瀬戸「武術っていうのは
全て"理"に合わせていく」
蓮「理?理ってなんや?」
瀬戸「理っていうのはな。
自然の摂理の事やねんや。
変わらない事象の事やな」
蓮「一気に難しなったな」
瀬戸「意味的にはな。でも
こう捉えていればええかな
夏は暑い冬は寒いっていう
どうしようもない現象や」
蓮「うーん。なるほどな。
なんとなくわかる感じや」
瀬戸「春夏秋冬であったり
晴れとか雨であったりな。
そんな感じが理やねんや」
蓮「うんうん。でもその理
にどう合わせるねんや?」
瀬戸「もう合わせてある。
それが中国武術やねんや」
蓮「はぁ?中国武術って
少林寺とかあーいうの?」
瀬戸「まぁそうやな」
蓮「じゃあ瀬戸とかインカ
は少林寺やってたんか?」
瀬戸「いや。それは違う。
俺達はまず太極拳やねん」
蓮「太極拳?それってあの
老人の体操やないんか?」
瀬戸「あれもそうやけどな
太極拳は元々武術やねん。
俺達の全ての基礎の部分」
蓮「そういえば・・・」
宮根さん達が話してくれた
のを思い出すと言っていた
インカは太極拳をベースに
したっていう話を思い出す
それにアムリタ教典にも
大極図の説明があった。
瀬戸「まずは太極拳からや
太極拳をきっちり覚えろ」
太極拳のビデオを渡された
24式太極拳と書いていた
瀬戸「それを左右同等で
できるようになってから
次のステップに進める。
できるまでは教えない」
蓮「どれぐらいでできる?
だいたいで教えてくれや」
瀬戸「1ヶ月ぐらいかな」
蓮「1ヶ月ぐらいなんか」
瀬戸「覚えるのに1ヶ月や
それにその太極拳は最も
簡単な太極拳やからな。
それより上の難度の高い
太極拳もあるからな」
蓮「あぁ~。そうなんか」
瀬戸「じゃあそろそろ戻る
太極拳の動作に悩んだりな
型の意味を知りたかったら
メールしてくれればいい」
そう言って教室へ戻った。
太極拳・・・これが最初の
俺の武術の入口だった。
それから毎日練習をした。
一回の演舞は5分程度。
朝起きてからと昼休みと
寝る前にやって習慣にした
その頃は12月だった。
クリスマスも終わって正月
も終わって3学期が始まる
少し前のことだった。
蓮「ふぅ。こんな感じか」
左右の太極拳ができた。
間違えずにできていた。
瀬戸に連絡をして見せた。