蓮「同級生であんなにも
強いのは衝撃的やった」
橋本「あいつらは強いなぁ
努力もするから当然かな」
蓮「瀬戸達に勝ちたくて。
タイマンで勝ったら俺は
変われるかなぁって思う」
橋本「強くなりたいの?」
蓮「強くなりたいですよ。
やっぱり・・・男ですし」
橋本「理由は?明と卓に
勝ちたいだけなんかな?」
蓮「それもありますけど。
なんていうのかなぁ・・・
瀬戸と村田と喧嘩してみて
思ったのは納得させられる
強さだったんですよ。
ただの暴力じゃなくて・・
喧嘩を通じて教える感じ。
上手く言えないけど・・・
俺もそうなりたいと思う」
橋本「納得させる強さねー
なんでそうなると思う?」
蓮「それが分らないです」
橋本「明も卓も武術者や。
武術を通じて知識を学ぶ。
不当な暴力を振るわないし
正々堂々やから納得する」
蓮「武術者って・・・?
太極拳なんですよね?」
橋本「太極拳は武術やねん
れっきとした武術やねん。
説明するのは面倒やから
いちいち言わないけどな」
蓮「武術って難しいですね
格闘技じゃないんです?」
橋本「似てるようで違う。
格闘技は殴る蹴るやんか。
武術は動作を大事にする。
実践的じゃあないけどね」
蓮「難しいですねぇ~。
なんかよくわからない」
橋本「学びに来たらいいよ
やってみんとわからんやろ
今日7時に来ればええよ。
柔道の合宿してた所にね」
蓮「あの場所なんですか。
じゃあ今日行きますよ」
橋本「じゃあ伝えておくわ
道場破りに行くって事ね」
蓮「えっ?道場破り?」
橋本「体験したらええねん
そうせな強いか弱いかって
わからへんやろ?太極拳。
大丈夫やって。ちゃんと
タイマンしてくれるから」
蓮「いや・・・違います。
強さはわかってますから」
橋本「わかったよ。もう。
手加減するように言うよ」
蓮「だから違いますって。
そういう意味じゃないし」
何度説明しても無駄だった
俺の意見なんて無視された
喧嘩なんて売りたくない。
教えてもらえないと思った
その日の夜に道場へ行った
道場の明かりがついている
中からは声が聞こえていた
笑い声しか聞こえなかった
おそるおそるドアを開けた
第24部-内部紛争- 完