橋本「今すぐ出て来いとは
言わないよ。気分が少し
落ち着いたら出ておいで。
俺はずっと待ってるから」
瀬戸「・・・わかった。
ありがとう・・・」
橋本は気持ちを汲んだ。
そして外でずっと立った
ままで待っていた。
沢田「座らへんのか?」
橋本「あぁ。座らない」
沢田「なんでや?」
橋本「わかんねぇ。けど
なんか楽をしたくない。
明も卓も辛いねんから」
沢田「そういうことか」
宮根「俺達もつきあうよ」
俺達はずっと立っていた。
それから1時間たった。
瀬戸が外へ出てきた。
宮根「あいつ・・・」
沢田「ずっとか・・・」
瀬戸の目は腫れていた。
ずっと泣いてたのだろう
瀬戸「ゴメン遅くなった」
橋本「いいや。遅くない。
3時間はかかると思った」
公園へ移動する事になった
橋本は瀬戸に声をかける。
沢田と宮根は黙って後ろを
歩いているだけだった。
何も言えなかったから・・
その関係に入れるほどの
関係が2人にはなかった。
入れるのは橋本だけだった
公園でベンチに座った。
沢田と宮根は離れていた。
橋本「明日やってさ。明日
の10時に引っ越すって卓が
さっき言っていたよ」
瀬戸「明日の10時か・・・
会長さぁ。聞いていい?」
橋本「あぁ。いいよ」
瀬戸「村田が引っ越すって
いつから知ってたん?」
橋本「1週間前に聞いた」
瀬戸「俺さぁ・・・俺だけ
昨日聞かされたんやんか。
それが・・・悔しくて。」
橋本「どうして悔しい?」
瀬戸「俺はあいつに一番に
言ってほしかってんや。
なんで最後に言うねんや」
橋本「わからへんのか?
明やから最後に言ったんや
卓にとっても辛いことや」
瀬戸「でも最後って・・」
橋本「楽しい話なら最初。
辛い話なら最後になる。
もし明が引越しをする立場
やったらどうしてた?」
瀬戸「あっ・・・」
瀬戸はピンと来ていた。
橋本「同じようになるやろ
今まで一緒にいるのが
当たり前の関係やったのに
突然いなくなるってことを
言いたくても言えなくなる
最後まで楽しくいたい。
卓の気持ちも汲んでやれ」
瀬戸は全てを受け止めた。