「野田君待って。皆で行こ」
俺が動き出して4組の何人
かも動き出した。
先生「野田。ちょっと待て」
先生が止めようとするが
無視して登っていった。
登っていったもの勝ちや。
この時先生は非常に困って
いたのであろう。
先生が言いたかった話を
瀬戸が言ってしまったし
先生達で立ててた予定が
崩れて進められたのだから。
先生には立場がなかった。
生徒「あいつらみたいに
登りたい奴だけが登れば
いいんやないか?」
先生「あかん。全員登れ」
生徒に覚悟が決まらない。
生徒の何人かは登る俺達を
ずっと見ていた。
6組は皆で助け合いながら
なぜか楽しそうだった。
俺達4組も遅れる女子に
手を貸しながら登ってた
「あたし行こっかな。
登らないと後悔しそう」
そう言って女子は動いた。
「女だけじゃ不安やわ。」
それに釣られて男子も動く
そしてやっと全員が動いた
文句を言いながら登る者。
辛いけど話ながら登る者。
わいわい言いながら登る。
そして2時間後・・・
頂上に辿り付いた。
蓮「あーきつかった。」
俺は登りきって座り込んだ
隣の方には6組が全員を
待っていた。
なんか気持ちよかった。
皆の達成感がそこにあった
蓮「皆ぁ。お疲れさーん」
そして山道を下っていく。
その時の会話で俺達は
もっと仲がよくなれた気が
していた。
瀬戸が何か話ししている。
盗み聞きしていると何かを
説明していた。
これは「吊橋効果」と
呼ばれる心理学だ。
吊橋の上で出会った男女が
怖いドキドキと好きのドキ
ドキを勘違いしてしまう
現象であり非日常体験が
この心理を強くする。
瀬戸はそう話していた。
山道を下って降りた時、
そこには女の先生達が
待っていた。
先生「お疲れ~。
はいジュース一人一本ね」
先生がジュースを用意して
くれていた。
瀬戸「完全なアメとムチや
ないですか(笑)」
先生「さすが瀬戸君。そう
今日かっこよかったねぇ」
瀬戸「あー。そうかな?
他人のセリフやけどな。
そうそう野田。今時間
あるからちょっと話すか」
蓮「そうやな。話すか。」
俺は瀬戸に呼ばれた。