阿部さんはインカが現れた
と言われる場所を次々と
調べ何かヒントになる様な
痕跡を探していた。
その頃俺は野村工業の同じ
1年でインカと一緒にいた
奴らを必死で探していた。
同じ1年の不良共に聞いて
調べても見つからない。
稲田「どういうことや?
手掛かりが全く無いとは」
その時、食堂から戻って
くる普通の生徒達が廊下
に広がり歩いてくる。
その中心に・・・
そいつらはいた。
稲田「不良やないのか?」
そいつらは不良では
なかった。
よーく見るとそいつの周り
の奴ら以外は不良高校の中
でも頭のいい優等生達
ばかりやった・・・。
俺が廊下の真ん中に立って
道の邪魔をして喧嘩を売る
そいつらはスッと両脇に
分かれ俺を避けて通る。
いや・・・これは違う。
ただ単に相手にされて
いないだけやった。
しかし・・・見つけた。
インカと接点を持って
いる奴らは近くにいた。
俺はすぐに阿部さんに
連絡を入れた。
そして、放課後に校門
前で会う約束をした。
放課後・・・。
校門前で特攻服の
阿部さんと会った。
稲田「お疲れ様です。」
阿部「あぁ。お疲れ。
でどいつや?インカと
一緒にいたって奴は」
阿部さんはすでに少し
興奮しているようだ。
稲田「掃除当番みたい
でしたからまだです。
もうすぐ出てくると
思います。」
阿部「掃除当番?
なんか真面目な奴らやな」
稲田「そうなんですよ。
つるんでる奴らもなんか
真面目な奴らなんです」
阿部「野村工業って言えば
不良高校やのにな。」
そして10分後・・・
そいつらは出てきた。
稲田「あいつらです。」
阿部「・・あいつらか。」
阿部さんは出てきたそいつらを
睨みつけ立っていた。