橋本「じゃあ答えを述べる
体よりも頭。知力が先や。
そして全ては太極図や。」
沢田・宮根「太極図？」
橋本「太極図が全てや。
基本じゃない。摂理や」
簡単に話してくれた。
全ては陰と陽に別れる。
陰があって陽が生まれる。
闇から光は生まれている。
この２つは切り離すことは
できないということだ。
この理から動きの静と動が
生まれてくる。
静は陰。動は陽。
静から動が生まれており
動から静に静めていく。
この動きが太極拳にあって
太極拳が武の基礎となる。
太極図による陰と陽の摂理
から陽が輝けば周りには
陰が強くなっているし
陽が弱ければ陰も弱い。
常にどこかで比例している
この考えを覚えていれば
ほとんどの事に耐えられる
そんな考えが最初にあった
宮根「深いなぁ・・・」
沢田「かなり難しいな。」
橋本「なんで難しいのか
わかるってるか？」
沢田「わからんわ」
橋本「俺の言っている事は
集団の上に立つ話やからや
個人の強さを求めてない」
宮根「あっ。わかったわ。
個人で比べてないねんや」
沢田「どういうことや？」
宮根はブツブツ言っていた
一人で色々とまとめていた
橋本「沢田は他人に全てを
預けることができるか？
例えば大事な勝負とかな」
沢田「無理やな。」
橋本「例えばサッカーの
ＰＫでは５人のキッカー
を選ばなあかんよな？
一人で５回蹴れへんやろ」
沢田「あぁ。そうやな。」
橋本「じゃあ他の４人が
外したらどうするよ。」
沢田「それはそいつの
実力不足なだけやろ？」
橋本「それで負けたら？」
沢田「あっ・・・そうか」
橋本「そこで負けたら
そいつのせいにするだけや
負けないようにさせる為の
指導をするのが俺の考え」
沢田「あー。そうかぁ。
なんとなく見えてきたわ」
橋本「個と集の違いや。
個が必要で集も必要。
個と集を同時に伸ばす」
言っている意味がわかる。
自分以外にも信じられる者
を作って集団にする。
個を磨きつつ他人を魅了
して集団になっていく。
