蓮「ロバートに・・・俺を
ロバートに会わせてくれ」
龍太「それはできへん。」
蓮「頼む。お願いや。」
龍太「できへんねんや。
ロバートに会いたいって人
は多すぎるねん。それを
いちいち会わせてたら
ロバートに負担がかかる」
蓮「でも頼む。龍太の弟
って事でもいいから頼む」
龍太「そうやな。あの人は
インカの誰かが頼めば必ず
会ってくれるやろうな。
立場の自覚が無いからな」
蓮「じゃあ俺・・・」
龍太「だけど会わさない。
ロバートはこう言ってる。
縁があれば必然的に出会う
もしお前がロバートに会い
たいんやったらな・・・。
たったひとつの出会いを
大切にしていくことや。
見逃すな。その瞬間を。
それがお前がロバートに
会う為のヒントやから」
蓮「出会いを大切に?」
龍太「これ以上はもう何も
言う事はあらへんわ。
自分の部屋に戻れ。
俺は勉強する事あるから」
蓮「わかった。ありがとう
後一つだけ聞いていい?」
龍太「アムリタ教典って
どんな内容なんや?」
龍太「アムリタ教典か。
ロバートの愛やな。」
蓮「それがわからへん。
何で内容が愛やねんや」
龍太「インカの自己中達
を間違った方向に進ませ
へんための教典やから」
蓮「それさぁ持ってたら
見せてくれへんかな?」
龍太「見せへんよ。
興味本位で見たいだけの
お前には意味が無い。」
蓮「少しだけでええから
ちょっとだけ見せてや」
龍太「じゃあ感謝の心を
見せてみろや。お前には
気持ちを受け取る力が
あるとは思えへんねん。
受け取る力が無いのなら
与える力も無いねんや。
お前には何も無いねん」
言い返す言葉がなかった
確かに俺は興味本位で
見たいだけだったから。
見れば強くなれるって
勝手に思っていた。
気持ちを受け取るとか
与えるとか考えた事もない
強さに不必要だと思ってた
龍太を見てやっとわかった
龍太は強い。強い人間だ。
その強さは力ではない。
自分の行動に責任を持って
判断を下している強さだ。