蓮「ところが動かしたのは
幹部やないねん。下っ端や
幹部の知らん所なんやわ」
有也「幹部以外に闇市を
動かせる奴なんておらん」
蓮「おんねん。下っ端で。
たった一人だけな。」
有也「誰もおらんわ。」
蓮「いいや。おるやろ。
総長の弟であんたを後ろ
にして威張れる存在が」
有也「・・・まさか。
伸夫が動かしたんか?」
蓮「ご名答。その通りや
それで俺は四神の幹部を
襲撃した。上でのほほんと
したあんたを呼ぶためや」
有也「それは本当か?
伸夫がそんな事するか?」
蓮「現にしてんねんや。
伸夫は必ず嘘をつくから
先に闇市の連中に聞いて
確認しておけや。」
有也「しかし闇市が伸夫
の言う事を聞くとは思わ
れへんねんけどな。」
大牟田「伸夫さんは俺の
言う事は兄貴が言う事と
同じ事やって言って
ましたけど。」
大牟田が口を開いた。
有也「お前が言うのか?」
大牟田「えぇ。今日伸夫
さんから呼び出しうけて
羅針を襲うって言って
襲撃しましたが。
総長さんが絡んでないって
知ってショックでしたよ」
有也「ほんまみたいやな
悪かった・・・闇市」
蓮「今回の一連の問題に
対して四神の総長として
あんたが責任とれや。」
有也「責任?どんな?」
蓮「俺とタイマン張れや」
有也「お前とタイマン?」
蓮「頭同士でケリつける
しか無いやろうが。」
有也「そんな状態でか?
お前ボロボロやないか。」
確かに俺の格好はもう
ボロボロやった。
蓮「お山の大将気取りの
総長にはちょうどええ
ぐらいのハンデやろ。」
有也「お前・・・俺の事
なめすぎてへんか?」
蓮「はっ。笑わせるなや。
自分の族の状況が把握
できてへん総長はなめられ
て当然やないんか?」
正直こんな状態では
やりたくなかった。
でもやるしかなかった。
有也は少し黙った。
そして間をあけて話した。
有也「・・・わかった。
昔のよしみでと思ったけど
やるか。遺恨無しやぞ。」
有也は上着を脱いだ。
蓮「あぁ遺恨無しや」
俺は構えた。
有也も構えをとった。
有也との対峙は怖かった。
構えただけでもその圧力が
伝わってくる。
俺は嫌な汗をかいていた。