帰りのバスの中ではみんな
テンションが上がってた。
女子と男子が入り混じって
楽しく会話をしていた。
俺の隣には羽田さんが来た
羽田「のーだ君。外ばかり
見て何かあんの?」
蓮「いや。今回の宿泊訓練
の事色々思い返しててん」
羽田「それは明君の事?」
蓮「瀬戸の事が多いかな」
羽田「ふーん。やっぱり
明君の事気になる?」
蓮「なんかな。気になる。
あいつは何であんなにも
レベルが高いのか不思議。
何か知らないかな?」
羽田「わかんないかな。
男の子の話って解らない」
蓮「そうかぁ。そやな。」
羽田「でも明君の周りには
かっこいい人が多いよ。
先輩とか同い年にしても」
蓮「ん?どんな風に
かっこいいの?」
羽田「うーん。難しいな」
蓮「不良っぽいとか?」
羽田「不良っぽくはないな
悪い事はしてないから」
蓮「隠れ不良でもない?」
羽田「うん。違うと思う。
だってタバコも吸わないし
周りに迷惑かけないし。」
蓮「そうかぁ。あいつには
先輩とかいないの?」
羽田「なんか先輩いっぱい
いるから。なんか、今は
よくわかんないかな。」
蓮「いっぱいいんの?」
羽田「うん。中学の頃まで
は尊敬してる先輩は一人
やったんやけどね。
そうそう村田君も一緒に
尊敬してたみたいやで」
蓮「瀬戸と村田が?」
羽田「うん。2人共。
でその人はウチの初恋の
人でもあんねんけどね。
明君も村田君も先輩の事
が好きで一緒にいたがる
からね。」
蓮「その先輩ってさ。
どんな人なん?」
羽田「かっこつけない人」
蓮「いや、そうじゃなくて
どんな男かを聞きたい。」
羽田「あー。ゴメンね。
えっと。絶対的に強い人」
蓮「絶対的に強い人?」
羽田「うん。皆はその
ように言っているよ。」
蓮「よくわかんないな。」
羽田「その人が放つ光に
集まったのが俺達だ。って
明君と村田君は言ってた」
蓮「なるほど少し解った」
羽田「かっこいいからね」
大体の状態がつかめた。
瀬戸はその先輩がいたから
今ここまで成長してきた事やろう。
それは暴走族の世界の
仲間意識と同じものだから