しかし・・・吸収するには
男が惹かれる男の存在と夢
の2種類が必要になる。
夢は全国制覇なんだろう。
そして・・・本物の存在。
惹かれる男がいると思った
憧れられるような存在が。
蓮「すげぇよな・・・
全国制覇してしまうって」
兵隊「俺らも立場ないです
総長も負けたんですよね?
闇皇帝って連中に・・・」
蓮「有也とのタイマンの後
にいきなり襲ってきたな。
体力もなんも残って無い時
に一気に数人でやられた」
兵隊「えっ!?四神の総長と
タイマンはったんですか?
どっちが勝ったんです?」
蓮「・・・それは言わへん
それよりも・・闇皇帝や」
有也との勝敗は言わない。
有也に俺が勝ったと言えば
須磨の最強伝説が崩れる。
俺はもう須磨最強に興味が
なかったから嫌だった。
蓮「横浜か・・・神奈川県
まで乗り込むには遠いな」
俺はあの時のあいつと・・
タイマンを張りたかった。
あれで勝ったと思われたら
心底むかついてくる。
でも・・・策が浮かばない
たった1人で乗り込んで
勝てるわけがないし・・・
何より地域性も知らない。
どこに行けばいいかとか
何があるかも分からない。
仲間と言っても・・・
兵庫から神奈川までついて
くるほどの奴もいない・・
全国制覇したやつらに
喧嘩を売る奴がいなかった
当然と言えば・・・当然だ
強さを求める不良は少ない
地元で威張っていられれば
いいという不良が多かった
俺も・・・須磨では有也
ぐらいしかいなかった。
有也を誘えば一緒に行くと
言ってもらえただろう・・
しかし有也はもう卒業する
卒業前に問題は起こさせる
ことが俺にはできなかった
だから・・・俺だけだった
どうしたらいいか考えた。
しかし答えが出てこない。
蓮「さすがにお手上げか」
どうしようもなかった・・
勝てる見込みもなかった。
それから日は過ぎていった
そして・・・2月に入って
三年生達は学校へ来る事が
無くなる時期に入った・・
そんな・・・ある日・・・
蓮「なにしとんや?龍太」
龍太「おう。蓮か・・・
明日から旅行に行くねん」
蓮「あぁ。インカでの?
瀬戸から話は聞いたけど
どこに旅行に行くん?」
龍太「東京。6泊7日で
ディズニーランド行って
遊んだり色々してくる」
蓮「ええなぁ。めっちゃ
楽しそうや。ん?東京」
東京と神奈川は近い。
すぐ隣の県だった。