そして・・・俺達は・・
ベンチで後片付けをした
橋本「忘れ物ないなぁ。
ひとまず球場を出るぞ」
全員で外へ出て行った。
荷物のほとんどは瀬戸と
俺とロバートの3人が持つ
一度外へ出て行ってから
全員で集まって話を始めた
これが・・・最後の話だ。
野球部としての最後の言葉
橋本「逆転負けやったなぁ
最後は勝てへんかったな」
瀬戸「徳報が強かっただけ
それ以上でも以下でもない
俺達の方が弱かったです」
蓮「もうあんな試合はなぁ
したくないもんなぁ~」
他はまだ全員泣いていた。
誰も泣き止んでいなかった
橋本「そんなに悔しいか?
そうやなぁ。3年は今まで
甲子園に行くためにずっと
頑張ってきてたもんなぁ」
蓮「3ヶ月ですもんね。
俺とロバートについては」
瀬戸「そこやないやろ?
体育会系かどうかやろ」
蓮「そうかもしれへんな。
体育会系ってのは苦手や」
森野「違うん・・・です。
悔しい・・じゃ・・ない」
蓮「じゃあなんやねんや」
森野「瀬戸さん・・・達が
めっちゃ・・勝とうと・・
してたのに・・・何も・・
できんのが・・悔しくて」
蓮「悔しいんやんけ」
瀬戸「はははっ」
橋本「わかった。わかった
上手く言えへんだけやろ。
十分に伝わってきたわ」
全員同じ気持ちだった。
そして瀬戸やロバートの
勝利に拘る姿をずっと
見てきて感動していた。
そしてそれも終わった。
今日負けた事で終わった。
もう・・・一緒に出来ない
それがとても悔しかった。
橋本「そのまま聞いてくれ
いまさらなんやけどな・・
今日の試合は勝っても
負けても俺達にとっては
最後の試合やったんやわ」
その発言に全員驚いた。
橋本「俺の目的は甲子園。
甲子園に出場する事やった
それだけが達成できたら
俺はよかっただけやねん」
松田「・・・えっ?」
蓮「そういうことやねん」
瀬戸「最初っから全部
決まってたことなんや」
森野「どういうこと?」
橋本「それは言えない」
俺は瀬戸から聞いていた。
ロバートが校長からの依頼
で甲子園に出場できたら
1000万の報酬の仕事を
受けていたからやった。
そんな理由だけだった。