蓮「くそっ・・・」
卑怯とは言えなかった。
瀬戸は何も言わず投げる。
関元にも遊び球無しで投げ
ツーストライクのままだ。
俺はもう見ていられない。
少しでも抵抗したかった。
グローブを外して座った。
全員が俺の方を見てた。
3審「立ちなさい。君」
蓮「こっちにこないって。
打つ気の無い打者に対して
構えてられるかいな」
3審「そうは言ってもな。
選手としてあるまじき行為
をとったらあかん」
蓮「体力が限界やねんな。
休める時に休みたいやろ」
審判と口論をしていた。
球場も少しざわついていた
その時・・・
瀬戸「野田ぁ。立てや。
しっかり守備してくれや」
瀬戸がこっちに叫んだ。
蓮「納得いかへんやろ。
全然打つ気ないやんけ」
瀬戸「それでも立てや。
お前が先に諦めるなや」
蓮「諦める・・・?」
瀬戸「いくら徳報が格上
でも戦意を失った連中に
負けるわけないやんけ。
どっしり立って構えとけ」
蓮「なんや。そうなんか。
わかった。悪かったな」
瀬戸はイラだってない。
徳報を格下に扱っていた
その気持ちが全員に伝わる
全員がその気持ちを汲んだ
瀬戸はずっと投げ続ける。
関元はカットをしていた。
応援団のエールが起こる。
精一杯応援してくれていた
しかし・・・徳報の応援団
は応援をしていなかった。
応援ができなかった。
4番は敬遠して勝負しない
そしてファールで粘って
いるだけの4番と5番。
いつもしっかり勝負をして
戦ってきたいたのに・・・
強い報徳を応援したいのに
これでは応援できなかった
見る側とやる側の違いの差
が大きく起こっていた。
勝つために必死で戦う者の
姿を応援団は知らなかった
瀬戸はずっと投げていた。
8球目でやっと三振にとる
瀬戸「あー。疲れたわぁ」
3回の裏がやっと終わった
瀬戸が結構投げさせられた
4回~6回は荒木も本調子
になり抑えこんでいた。
瀬戸とロバートを敬遠して
それ以外をきっちり抑える
そして俺達の方は粘られて
瀬戸の体力が奪われていた
6回までずっとカットされ
瀬戸の球は120球を越えた
さすがに瀬戸もバテていた