蓮「あー。きっついなぁ
全然点取れへんやんけ」
瀬戸「お前ノーヒットや
仕事せえへんからやろ」
蓮「くっそお。打ったる
なんとしても打ったる。
打順は誰からやねんや」
瀬戸「お前からやけど。
さっさと行って来いや」
蓮「おっしゃあ。じゃあ
俺が打つから後は頼む」
青田「無理やって・・・
逆転なんてできんって」
ベンチが静かになった。
青田「15点も取られてや
しかも相手は1年やし。
これ以上やってもただの
恥でしかあらへんやん。
もう早めに終わらせて
コールド負けで終わろう
それが一番ええやろ?」
瀬戸は何も言わなかった
俺とロバートは聞いてた
その時菅原が詰め寄った
青田の胸グラを掴んだ。
菅原「おい。待てよ。
一番ええってなんや?
コールド負けがええか?
それが一番ええんか?
お前4番やろうがぁ。
4番のくせにノーヒット
で都合のええ事言うなや
逃げたらあかん所やろ。
4番の期待値は90%やろ
今のお前0%やないか」
期待値と役目を無視して
いた青田が言った。
くしくも青田のマイナス
発言で菅原はわかった。
期待値とオーダーの関係
そこに込められた役目。
人によって理解をする
きっかけが違っていた。
そして瀬戸が動いた。
瀬戸「森野。用意しろ。
野田の次に代打で出ろ」
森野「えっ?俺が?」
瀬戸「本当はチャンスで
変えたかったんやけどな
状況が変わったからな。
お前が打てなかったら
コールド負けやと思え」
森野「わかりました。
期待に応えます」
蓮「森野ぉ。俺が塁に
出たら2塁に盗塁する。
俺が2塁にいくまでは
バットを振らんと我慢
して待っていてくれ。
そんでお前のバットで
俺をホームへ帰してくれ
そうせなあかんと思う」
森野はチャンスが少ない
そのチャンスを活かして
やるには俺がチャンスを
作ってやるしかない。
瀬戸「そやな。そうせな
森野はホームランを打つ
事でしか価値ないしな。
野田が塁でなあかんな」
瀬戸が俺にプレッシャー
をかけてきていた。
喧嘩を売ってるように。
俺はそれを買うしかない
蓮「塁に出てやるわ。
2塁まで行ってやるわ」
言った分気合が入る。
言葉に気持ちを乗せた。