蓮「じゃあ教えてくれや」
瀬戸「わざと外すねんや。
わざと攻撃を空ぶるねん」
蓮「はぁ?真逆やんけ。
なんで空ぶるねんや?」
瀬戸「空ぶったら相手は
チャンスやと思うやんけ。
簡単に誘い出せるやんか」
蓮「いやまぁ。そやけど。
でもこっちの体勢が崩れて
しまるからあかんやんか」
瀬戸「自分の意思で空ぶる
って事はわざと外すねんぞ
つまり体制は崩れへんの」
瀬戸は目の前で俺を殴る。
わざと小さく空ぶった。
足も一緒に動いていたため
体制は全く崩れてなかった
蓮「なるほど。そうかぁ」
瀬戸「相手はバカやない。
毎回同じように揺さぶって
引っかかるわけじゃあない
学習能力があるねんや。
それを逆手にとって使う。
毎回揺さぶるわけじゃない
たまには空ぶるのが自然や
それにな。わざと空ぶって
ひっかかると本気で空ぶる
時も相手は攻撃に転じる事
が簡単にできへんねんや。
それだけで相手の行動心理
は抑えられて動けなくなる
タイミングを作らせない」
蓮「って事はタイミングを
作るのと作らせないように
して自分のペースでやれる
ようにするってことか?」
瀬戸「その通り。だんだん
頭よくなってきたやんけ」
蓮「あれ?なんでなんやろ
だんだんわかってきたわ」
瀬戸「よし。それじゃあ
これにてひとまず終了や。
これまで言ってきたことを
学んで24式ができた頃には
一気にレベルが上がるわ」
瀬戸はロバートをゆっくり
起こして連れ添っていた。
そして先に戻っていった。
蓮「よっしゃ。頑張るか」
この時色々気づいていた。
俺はこれだけの事を教えて
もらって1円も払ってない
瀬戸とロバートは言わない
時間を割いてやっていると
そう言った当てつけの事は
一回も聞いた事が無かった
そういう思いがわかるから
俺も頑張ってしまってた。
それから太極拳も合わせて
正拳突きも崩拳も鍛錬して
この理も合わせて考えた。
体で覚えた事を頭で考えて
少しづつ理を合わせて行く
最初は何も繋がらない。
でも考えていると少しづつ
合わせて行くことができる
そうやっていくとだんだん
全体的なレベルが上がる。
長拳も合わせて覚えていく
そうして地味に努力をして
3ヶ月が立った頃・・・
蓮「俺・・・強くなった?
これだけやってきたけど」
実践を一回もしてないので
強くなったかどうなのかは
全くわからなかった。
第26部-インカの智- 完