有也「蓮。強くなったな」
蓮「情けはいらないっス」
有也「いや・・・強く
なったわ。精神的にもな」
蓮「あぁ。それは今までに
色々あったからっスよ。」
有也「色々か。そう言えば
稲田も言ってたな。」
蓮「総長が・・・?」
有也「元々俺は同盟の話を
最初にしたんは稲田にや。
稲田に・・・羅針と同盟を
組みたかったんや。」
蓮「・・・何で同盟を
組んでいるんスか?」
有也「まぁ聞け・・・」
そうして有也はゆっくり
色々と話をしてくれた。
あれは少し前の事やった
俺と稲田は同じ野村工業
やから昼休みにあいつを
屋上へ呼び出したんや。
稲田「なんや?斉藤。
こんな所呼び出してや」
有也「お前に話したい事が
あってな。人おらん所で」
稲田「想像つかんわ。
まぁいい。聞いてやる。」
有也「四神と・・・羅針と
俺達四神とで同盟を
組まへんか?」
稲田「はぁ?同盟?」
有也「そうや。神戸連合が
攻めてきた時に対抗できる
ぐらいの勢力が必要やろ」
稲田「あー。でもなぁ。
俺は羅針を引退してるねん
代替も終わった所やわ。」
有也「引退したやと?まだ
後1年あるやないか。」
稲田「色々あってな。
次の代に任せたんや。」
有也「ちょっと待てや。
稲田がいるからこそ羅針は
認められてるんやろーが」
稲田「今まではそうやった
かも知れんけどな。次の代
は変えてくれるやろーな。
俺はそう思って代替した。
だから俺は関係ないねん。
そういう話やったら7代目
に話をして決めてくれや」
有也「7代目は誰や?」
稲田「野田 蓮。」
有也「蓮?蓮が7代目?」
稲田「そうや。俺は蓮に
7代目を任せたんや。」
有也「何でや?蓮が稲田
よりも上とは思えへんが」
稲田「今の所はそうかもな
でもな。蓮は・・蓮だけが
負けの悔しさを知ってる。
負けても這い上がってくる
這い上がってくるからこそ
早めに上に立たせてやりた
かったってのもある。」
有也「そうか。でもお前が
引退したんは残念や・・」
稲田「なんやねん。それ」
有也「俺とお前だけが同じ
時代を過ごしてきたから」
有也にとって稲田総長は
学校が同じでお互いが族の総長。
唯一ライバルと呼べる存在だった。