蓮「野村に喧嘩を売る気は
全く無いねんけどな。」
??「伸夫君。こんなやつ
やっちまおうや。」
伸夫「まぁ待てや。
こいつはこれでも族の
総長になってるんや」
いきり立つ不良を止める
伸夫は得意気になってる。
蓮「お前。何にも
変わってへんな。」
伸夫「変わったよ。今は
俺に逆らう者はいない」
蓮「お前の事や、どうせ
有也さんをバックにして
威張ってるだけやろ?」
伸夫「してへんわ。ボケ」
伸夫は動揺していた。
やっぱりこいつは何も
変わっていない。
俺は少しガッカリした。
伸夫「おいお前ら。こいつ
野村に喧嘩売ってるわ。
ちょっとイジメたれや。」
蓮「売ってないっての」
それを聞いた野村の生徒は
全員黙って動き出した。
蓮「あー。やべえな。」
野村の連中はさすがに不良
高校と思った。見る限り
びびらせようとしているだけ
ではなかった。それに喧嘩慣れ
しているのが解る
10人も一人で相手すると
なると手こずる。
面倒になるのでここは
稲田総長に教えてもらった
喧嘩の仕方をすることに。
俺は後ろに下がろうとする
伸夫が後ろを向いた瞬間に
伸夫の後頭部を蹴った。
伸夫はやはり素人だった。
敵に簡単に背を向けること
は必ずしてはいけない。
そして伸夫はうつ伏せの
状態でその場に倒れた。
こんな時は指揮官を狙って
場を乱して崩すのが早い。
野村「てめぇ。コラぁ。」
一人のやつがこっちに来る
こいつが一番強いだろう。
蓮「一人だけで助かった」
俺はホッとした。
強いと言っても素人なりに
強いぐらいで隙が多い。
大技が入る相手だ。
俺は全力で拳を握り締め
そいつを殴った。そして
すぐに飛び膝蹴りをいれた
そいつは鼻が折れたやろう
手応えがしっかり膝にある
それを見た他の不良達は
たじろいている。
その時電車が来た。
そして駅員も動き出した。
俺は電車に乗り込んで
さらに構えていた。
誰も俺を追ってこない。
ひとまず安心してその場
を去って帰った。
電車に乗って頭の中に
浮かんだのは伸夫の言葉
だった。
「庫兵工業が野村に
喧嘩売るんか?」
蓮「野村に喧嘩を売った
事になるんかなぁ?」
俺は少し考えていた。